2023年度釧路労災病院脳神経外科
　　　　　脊椎脊髄並びに末梢神経手術件数　　146件

　　
＊2023年度手術件数、内訳に関する総括
　昨年度の手術件数は例年通りで、私自身の体力、気力並びに現在のスタッフ、麻酔科関係等の病院の事情ではまあまあの手術件数、内容だと思います。近年、頸椎手術件数が減少傾向ですが、患者さん、家族に対する手術の説明が一段と厳しくなり（本当のことを伝えているのですが）、手術を任せられないと思われたかもしれません。昨年、頸椎手術の適応の患者さんに頸椎手術の経験がありますかと聞かれ、どのように返答してよいか戸惑いました。頸椎手術3000例以上の経験があるとは言えず、セカンドオピニオンを勧めました。
　　
間欠性跛行を呈する腰部脊柱管狭窄症に対する腰椎制動術は35例に施行し良好な手術結果を得ています。今後、飛躍的に手術件数が増加するものと思われます。患者さんが希望すれば局所麻酔下の手術が可能であり、究極の低侵襲手術だと断言できます。まだ、世の中に普及していないこと、腰椎制動術の治療効果に懐疑的な外科医が多いため、普及には時間がかかるかもしれません。

　腰部脊柱管狭窄症に対する腰椎制動術（最新低侵襲手術法）
　　―間欠性跛行を呈する症例に適応ー
１）　椎弓や黄色靭帯の切除を行わず、神経を露出しない手術法であるため、安全な手術法である
２）　局所麻酔下の手術が可能
３）　術後、数日で退院が可能
４）　血をサラサラにする薬を止めなくても手術が可能
５）　心臓病、腎疾患、高齢のため、全身麻酔のリスクが高い患者さんにも対応が可能