＜ジェネリック医薬品を希望した症例、６０歳代、女性＞
腰の痛みで通院中の患者が、診察中に、申し訳なさそうに安い薬を 出していただけませんかと聞いてきました。テレビで、効能が同じ で安い薬が良いと放送されていたのでお願いしますと。私はジェネ リック医薬品（後発品）を処方していませんとお話ししました。 どうしても、ジェネリック医薬品の処方を希望するのであれば、 遠慮なく言ってくださいと付け加えました。その後、ジェネリック 医薬品を処方していただける医院に紹介状を書きました。

　現在、日本では医療費抑制のため厚生労働省主導でジェネリック 医薬品（後発品）の普及が進められています。私は、患者さんに、 同じ主成分を含んでいますが、効能が同じかどうか心配であること、 製薬会社による情報提供がなく、薬の信頼性に疑問があるため、 処方できないと説明しています。医者の仕事は、薬の効果が なかった時や薬の副作用が出たときに、患者さんの相談に乗る ことです。その際、薬の情報を素早く入手でき、患者さんに説明 できなければ、責任を持って薬を処方出来ないです。薬だけを 処方するのであれば、薬局で薬をもらえば良いのです。投薬治療は、 治療の一部であり、薬だけ出すのであれば病院の医者にかかる 必要はありません。私の印象では、ジェネリック医薬品を希望 される患者さんの多くは、過剰過ぎる薬の投薬、無駄で不必要な 検査、高額な手術料金に関しては無頓着なようです。