平成23年度 手術件数
本年度の脊椎、脊髄疾患並びに末梢神経疾患の手術件数 は過去、最高となった。ただ、脊椎、脊髄手術は減少し ている。末梢神経疾患、特に、上殿皮神経障害の手術件 数が飛躍的に増加したことが手術件数の増加に貢献し ている。上殿皮神経障害は腰痛の１２％ぐらいにみられ る疾患であり、今後、さらに、手術件数が増加すると思 われる。他院で、腰椎疾患と間違われて、腰椎の手術が 行われたり、検査したが原因不明と言われている。上殿 皮神経障害はMRI等の画像では診断が不可能な病気で す。
昨年度の再手術は１件のみであり、手術合併症も２件 のみと満足すべき手術結果となった。術後出血や術後 感染が見られなかったことは幸運であった。手術成 績が向上しているのに脊椎脊髄疾患の手術件数が減少 しているのが不思議です（この数年、減少傾向）。外科 医が積極的に手術をすすめないと手術件数は増加しな いのでしょうか。無理して手術をする必要はないのです。 患者さんが望まない手術はすべきではありません。手術 を勧める外科医で優秀な外科医を見たことはありませ ん。手術後、困るのは患者さんと家族です。末梢神経疾 患の外科的治療には豊かな経験と患者さんとの交流が 必要です。私に適した手術なのかもしれません。今年は、 脊椎、脊髄疾患の手術を積極的に行わず、末梢神経疾患、 特に、上殿皮神経障害の外科的治療を積極的に行おうと 思います。日本で、上殿皮神経障害の手術を行っている のは、釧路労災病院脳神経外科だけです。普及活動にも 力を入れる予定です。
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